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📖 経営法務

出題傾向(R3〜R7)

出題あり 出題なし R3 R4 R5 R6 R7
E1. 会社法総論・設立 5問

会社法総論・設立の要点まとめ

会社の定義と種類は会社法の基礎です。会社とは営利を目的とする社団法人であり、中小企業診断士試験では株式会社に関する設立手続きが中心に出題されます。

会社の種類と特徴

  • 株式会社:株式により資本を分割し、出資者(株主)の責任は出資額に限定される有限責任制。最も一般的な会社形態
  • 持分会社:合同会社、合資会社、合名会社。小規模事業に適している

株式会社設立の要件と手続き

設立の流れは以下の通りです:

  • 定款の作成(発起人により作成)
  • 定款の認証(公証人による認証が必須)
  • 株式の引受と払込み
  • 設立時取締役等の選任
  • 設立登記の申請

定款は会社の根本規則であり、記載すべき事項があります。絶対的記載事項(この記載がないと定款全体が無効)には以下が含まれます:

  • 目的
  • 商号
  • 本店所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  • 発起人の氏名・住所
  • 発行可能株式総数

設立時の資本要件

  • 最低資本金制度の廃止:現在、株式会社の設立に最低資本金要件はない
  • 設立時に払込むべき出資は、発行済株式の4分の1以上(旧規定に基づく場合もある)
  • 実務的には最低1円以上の払込みで設立可能

発起人と設立時役員

発起人は定款に署名・記名捺印する者で、設立に向けて活動します。発起人は設立時取締役を選任します。設立時取締役は1名以上必要です。

設立登記は本店所在地の登記所に申請し、これにより会社は法人格を取得します。登記申請から登記完了までに通常1〜2週間程度を要します。

設立時に注意すべき点

  • 定款認証は公証役場で行う必要があり、認証を受けないと定款は効力を持たない
  • 発起人が複数の場合、全員で定款に署名・記名捺印するか、代表者が記載することも可能
  • 設立時払込金は発起人の銀行口座等に振込む方式で実行
  • 設立後、設立事項証明書等を取得して経営開始

頻出ポイント

  • 定款の絶対的記載事項:6項目(目的、商号、本店、出資額、発起人、発行可能株式総数)の確実な把握
  • 公証人認証の必須性:定款認証を受けないと設立は不可能という点
  • 最低資本金廃止:現行法では資本金1円での設立が可能
  • 設立登記による法人格取得:登記完了時点で会社は法人となる
  • 設立時取締役の選任:発起人会議により選任し、登記申請時に届出
関連過去問(5問)
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令和5年度 第5問 設問2 以下の会話は、株式会社の設立を考えている甲氏と中小企業診断士であるあなた との間で行われたものである。この会話を読んで、...
令和6年度 第6問 定款の記載事項は、絶対的記載事項(定款に必ず記載または記録しなければなら ない事項であって、これを記載または記録しないと...
E2. 株式・株主 6問

中小企業診断士試験 E科目「株式・株主」要点まとめ

株式の基本的性質と機能

  • 株式とは企業の所有権を表す有価証券であり、株主は出資額に応じた権利と責任を有する
  • 株式会社は有限責任の原則により、株主は出資額の範囲内でのみ責任を負う
  • 企業の資金調達手段として、返済義務のないエクイティ・ファイナンスである

株主の権利

  • 自益権:配当請求権、残余財産分配請求権、新株引受権など株主個人が受ける利益に関する権利
  • 共益権:株主総会への出席・議決権、取締役選任権、監査役選任権など企業統治に参加する権利
  • 1株1議決権が原則だが、普通株と優先株による複数の議決権構造も存在

株主総会

  • 株主による最高意思決定機関として、定期株主総会(決算後3ヶ月以内)と臨時株主総会がある
  • 必須議案:定款変更、取締役・監査役の選任・解任、配当決定、剰余金処分、合併・分割など
  • 決議要件:原則として普通決議(出席株主の過半数)、特別な事項は特別決議(出席株主の3分の2以上)
  • 書面投票やオンライン投票による遠隔参加が認められている

中小企業における株式の特性

  • 非上場企業が大部分で、株式の流動性が極めて低い
  • 創業者一族による集中的な株式保有が多く、経営権と所有権が一致しやすい
  • 事業承継や後継者問題と密接に関連し、株式保有比率が経営権に直結する
  • 相続税や贈与税の対象となるため、株価評価が重要な経営課題

配当と利益処分

  • 配当は獲得利益の処分であり、経営方針や資金需要に応じた意思決定が必要
  • 中小企業は利益を内部留保して再投資に充てるケースが多い
  • 配当方針の透明性は企業価値向上と長期的な株主満足度に影響する

株式の種類と活用

  • 優先株:配当優先権や清算時の優先分配権を有する
  • 譲渡制限株式:中小企業が経営権維持のため、譲渡に取締役会承認を要件とする
  • 新株予約権:従業員インセンティブやM&Aの対価として活用される

頻出ポイント

  • 株主総会の決議要件:普通決議と特別決議の区別、および各々の成立要件を正確に理解すること
  • 株主の自益権と共益権の区別:特に配当請求権(自益権)と議決権(共益権)の性質の違い
  • 中小企業における株式保有の集中と経営権の関係:過半数株式保有の経営支配力と事業承継への影響
  • 配当政策の経営判断:利益処分と企業価値向上のバランス、および成長段階による配当戦略
  • 譲渡制限株式の活用意義:中小企業が意図しない第三者への経営権流出を防止する仕組み
関連過去問(6問)
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令和7年度 第4問 譲渡制限株式に関する記述として、最も適切なものはどれか。
E3. 機関設計(株主総会・取締役会等) 12問

機関設計(株主総会・取締役会等)の要点まとめ

機関設計とは、株式会社における意思決定機関(株主総会・取締役会・監査役等)の構成と権限配分に関する制度です。会社法の重要テーマであり、毎年出題されています。

1. 株主総会

  • 最高意思決定機関として、会社の基本的事項を決定
  • 定款の変更剰余金の配当役員の選任・解任合併・分割など重要決議を担当
  • 招集通知:2週間前までに通知が原則(定款で短縮可能、最短1週間)
  • 定足数:議決権を有する株主の過半数の出席が必要
  • 決議要件:原則として出席した株主の過半数の賛成で成立
  • 特別決議:定款変更、合併、解散等は3分の2以上の多数が必要

2. 取締役・取締役会

  • 取締役:会社を代表・執行する業務執行機関
  • 取締役数:1名以上必須(上限の定めなし)
  • 取締役会設置:資本金5億円以上または負債200億円以上の会社は必須
  • 取締役会の構成員:3名以上で構成(定款で別途定めることで変更可)
  • 招集通知:1日前までに通知(緊急時は例外あり)
  • 定足数:過半数の出席で成立
  • 決議:出席者の過半数の賛成で成立
  • 代表取締役:取締役会で選定され、会社を代表・対外的に表現

3. 監査役・監査役会

  • 監査役:取締役の業務執行を監視し、会計監査を実施
  • 監査役数:1名以上必須
  • 取締役会設置会社は監査役3名以上、うち半数以上が社外監査役
  • 監査役会設置:大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)は必須
  • 監査役は取締役会に出席し、意見を述べることができる
  • 独立性が重要:社外監査役の置数要件がある

4. 委員会等設置会社

  • 指名委員会:役員候補者の指名
  • 監査委員会:監査役会の代わりに監査機能を担当
  • 報酬委員会:役員報酬の決定
  • 3委員会の設置により、経営の透明性と監視機能を強化

5. 意思決定の流れ

  • 経営戦略・重要事項:取締役会で提案・決議
  • 基本的事項・定款変更等:株主総会で承認
  • 日常業務:代表取締役が決裁権を行使

頻出ポイント

  • 招集通知の期間:株主総会2週間、取締役会1日の違いを明確に
  • 特別決議が必要な事項:定款変更、合併、分割は3分の2以上
  • 監査役会設置の必須条件:大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)
  • 委員会等設置会社との選択制:監査役会か監査委員会(2つ同時設置不可)
  • 社外監査役の要件:大会社で監査役会設置時は半数以上必須
関連過去問(12問)
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令和5年度 第4問 監査役会設置会社における監査役に関する記述として、最も適切なものはどれ か。
令和6年度 第1問 会社法が定める監査等委員会設置会社に関する記述として、最も適切なものはど れか。
令和6年度 第2問 会社法が定める監査役および監査役会に関する記述として、最も適切なものはど れか。
令和7年度 第1問 株主総会に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第2問 取締役会に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、特別取締役の定 めはないものとする。
令和7年度 第3問 監査役に関する記述として、最も適切なものはどれか。
E4. 資金調達・計算 3問

資金調達・計算の試験ポイント

資金調達は中小企業経営の基盤となる重要テーマです。令和6年度では3問出題されており、資金繰り管理、融資制度、財務指標の理解が求められます。

1. 資金調達の種類と特徴

  • 自己資金:経営者の個人資産、内部留保
    • 調達コスト低い、返済義務なし
    • 事業拡大時には不足しやすい
  • 他人資金(負債):銀行融資、公庫融資、制度融資
    • 返済期間・金利が設定される
    • 与信審査が必要
  • 新株発行:株式による調達
    • 返済義務なし、希薄化リスクあり
    • 中小企業では利用限定的

2. 主要な融資制度

  • 日本政策金融公庫
    • 新創業融資制度、経営改善貸付など
    • 民間銀行より審査が柔軟
  • 制度融資
    • 自治体が保証協会と協調する融資
    • 信用保証料の負担あり
  • 信用保証協会の保証
    • 中小企業の融資に対して債務保証
    • 保証料率は企業の信用度で変動

3. 資金繰り管理の重要指標

  • 運転資金=売上債権 + 棚卸資産 − 買入債務
    • 営業活動に必要な流動資金
    • 業種・業態で大きく異なる
  • 現金預金残高
    • 月次での増減を把握
    • 最低必要額の維持が重要
  • キャッシュフロー計算書
    • 営業・投資・財務活動に分類
    • 利益と現金の乖離を把握

4. 返済能力の評価

  • 債務償還年数= 有利子負債 ÷ EBITDA
    • 何年で負債を返済できるか
    • 3年以内が健全水準
  • 利息カバレッジレシオ= EBIT ÷ 利息支払額
    • 利息支払い能力を測定
    • 2倍以上が目安
  • 負債比率= 負債 ÷ 資本
    • 最適水準は業種により異なる
    • 過度な負債は経営リスク増加

5. 資金調達時の注意点

  • 過剰な借入による利息負担増加
  • 返済計画の現実性確認
  • 担保・保証人の検討
  • 資金用途の明確化と効果測定

頻出ポイント

  • 運転資金の計算式と業種による変動パターンの理解
  • 日本政策金融公庫と制度融資の制度内容と申請要件
  • 債務償還年数・利息カバレッジレシオなどの返済能力指標の計算と判定基準
  • 現金と利益の相違がもたらす資金繰り問題の認識
  • 資金調達の種類の使い分けと各々の特性(コスト・返済義務)
関連過去問(3問)
令和3年度 第1問 会社法が定める株式会社の社債に関する記述として、最も適切なものはどれか。 なお、本問における会社は取締役会設置会社である...
令和6年度 第4問 会社法が定める剰余金配当に関する記述として、最も適切なものはどれか。 なお、本問においては、中間配当は考慮しないものとし...
令和6年度 第5問 会社法が定める社債に関する記述として、最も適切なものはどれか。 なお、本問における株式会社は、取締役会設置会社であり、定...
E5. 組織再編・M&A 9問

組織再編・M&Aの基本概念

組織再編とは、企業の経営体制を大きく変える法的・経済的な取り組みであり、中小企業の事業拡大や経営課題の解決に活用されます。M&A(買収・合併)はその代表的な手法です。

主な組織再編の形態

  • 合併:2つ以上の企業が法律上一体化する
    • 新設合併:新会社を設立して統合
    • 吸収合併:一方が他方を吸収
  • 買収:株式取得により支配権を獲得
    • 株式買収(TOB含む)
    • 事業譲渡
  • 会社分割:事業を別会社に移転
    • 吸収分割:既存会社が事業を承継
    • 新設分割:新会社が事業を承継
  • 事業譲渡:特定事業を他社に譲渡
  • 資本提携・業務提携:出資や協力による関係構築

M&Aのプロセス

  • 準備段階:目的設定、対象企業選定基準の決定
  • スクリーニング:候補企業の絞り込み
  • アプローチ:対象企業への打診
  • デューデリジェンス:法務・財務・事業の詳細調査(最重要)
  • 交渉・条件決定:価格、条件の協議
  • 契約・クロージング:法的手続きの完了
  • 統合後対応(PMI):組織統合、シナジー実現

M&Aの評価軸

  • シナジー効果:コスト削減、売上増加、技術・人的資源の融合
  • 買収価格の決定方法
    • 時価純資産法
    • DCF法(DiscountedCashFlow):将来キャッシュフロー割引
    • 類似企業比較法
    • 倍数法(EV/EBITDA等)
  • のれん:買収価格と純資産の差額(ブランド価値等)

組織再編における法的・税務上の課題

  • 債権者保護手続き:債務承継時の手続き要件
  • 許認可の引継ぎ:業種による許認可再取得の必要性
  • 契約の効力:取引先契約の継続性確認
  • 従業員の処遇:労働条件の継続性、雇用契約の扱い
  • 税務申告義務:組織再編関連の申告手続き

中小企業M&Aの特徴と課題

  • 後継者不足対策:事業承継の手段として活用
  • 情報非対称性:非上場企業の情報開示が限定的
  • 簿外債務・隠れ負債:デューデリジェンスの重要性
  • オーナー経営者の関与:個人資産と会社資産の分離確認
  • 資金調達:銀行融資、政府系金融機関の活用

PMI(統合後対応)のポイント

  • 経営理念・カルチャーの統合
  • 組織体制の再構築と人員配置
  • システム・プロセスの統一化
  • 顧客・取引先への説明と信頼維持
  • シナジー効果の確実な実現

頻出ポイント

  • デューデリジェンスの内容と重要性:法務・財務・事業調査は合併判断の最重要段階
  • 買収価格の算定方法:DCF法、倍数法など複数の評価手法の使い分け
  • シナジー効果の特定:具体的なコスト削減額・売上増加額の算定
  • 統合後対応(PMI)の重要性:M&A成功の鍵は取引後のマネジメント
  • 中小企業特有の課題:簿外債務、オーナー経営との分離、許認可の継続確認
関連過去問(9問)
令和3年度 第3問 いわゆる簡易合併手続に関する会社法における記述として、最も適切なものはど れか。
令和4年度 第5問 設問1 以下の会話は、X株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏と、中小企業 診断士であるあなたとの間で行われたものであ...
令和4年度 第5問 設問2 以下の会話は、X株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏と、中小企業 診断士であるあなたとの間で行われたものであ...
令和5年度 第6問 設問1 以下の会話は、X株式会社の代表取締役である甲氏と、中小企業診断士であるあ なたとの間で行われたものである。この会話を読ん...
令和5年度 第6問 設問2 以下の会話は、X株式会社の代表取締役である甲氏と、中小企業診断士であるあ なたとの間で行われたものである。この会話を読ん...
令和6年度 第7問 設問1 以下の会話は、X株式会社(以下「X社」という。)の株主兼代表取締役である甲氏 と、中小企業診断士であるあなたとの間で行わ...
令和6年度 第7問 設問2 以下の会話は、X株式会社(以下「X社」という。)の株主兼代表取締役である甲氏 と、中小企業診断士であるあなたとの間で行わ...
令和7年度 第6問 設問1 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話に基づき、下...
令和7年度 第6問 設問2 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話に基づき、下...
E6. 持分会社・その他会社形態 2問

持分会社・その他会社形態(中小企業診断士試験対策)

持分会社とは、出資者が経営に参加し、利益配分が自由に決められる会社形態です。株式会社との対比で理解することが重要です。

1. 持分会社の基本分類

持分会社は以下の4種類に分類されます:

  • 合名会社:全員が無限責任社員で経営参加
  • 合資会社:無限責任社員と有限責任社員が混在
  • 合同会社:全員が有限責任社員(出資額に限定)
  • 匿名組合:営業者と出資者の関係

2. 持分会社の特徴(株式会社との比較)

  • 出資者が直接経営に参加できる
  • 利益配分が自由に設定可能(出資割合に依存しない)
  • 決算公告の義務がない(非公開企業向け)
  • 会計帳簿の作成義務はあるが開示義務はない
  • 相続時の持分譲渡の制限が容易に設定できる
  • 社員の追加・退社時に合意が必要

3. 各形態の責任と経営参加

合名会社

  • 全社員が無限連帯責任を負う
  • 全員が経営権を持つ
  • 対外的信用が高い(業種限定的)

合資会社

  • 無限責任社員(1名以上必須):全責任負担・経営参加
  • 有限責任社員:出資額に限定・経営参加不可
  • 実務では利用が少ない

合同会社

  • 全社員が有限責任(出資額の範囲内)
  • 社員が経営に参加できる(参加しない選択も可)
  • 設立費用が安い(定款作成のみ、認証不要)
  • 中小企業・スタートアップの利用が増加

4. 持分会社の利益配分

  • 利益配分は定款で自由に設定可能
  • 出資割合と異なる配分が可能(株式会社では不可)
  • 経営貢献度を反映した配分が実現可能
  • 損失配分も同様に自由

5. 持分会社から株式会社への転換

  • 組織変更として税務上の簡便措置がある
  • 事業規模拡大時に株式会社への移行が一般的
  • 資金調達の円滑化が主な理由

6. その他の会社形態

LLP(有限責任事業組合)

  • 専門家(弁護士、税理士など)向け
  • 全員が有限責任
  • 全員が経営参加可能

一般社団法人・一般財団法人

  • 営利を主目的としない非営利法人
  • 出資者に剰余金配分がない
  • 社会貢献活動に利用

頻出ポイント

  • 持分会社は利益配分が自由という株式会社との本質的違い
  • 合同会社は有限責任かつ経営参加可能という実務的メリット
  • 責任形態の区別:合名(無限連帯)、合資(混在)、合同(有限)
  • 決算公告義務の有無:持分会社は原則不要
  • 事業規模拡大時に株式会社への組織変更が現実的選択肢
関連過去問(2問)
令和4年度 第4問 株式会社と合同会社の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第5問 合同会社に関する記述として、最も適切なものはどれか。
E7. 特許法・実用新案法 19問

特許法・実用新案法 試験対策まとめ

1. 特許制度の基本

特許権は、発明に対して与えられる独占的な権利です。出願から登録までには審査が必要であり、保護期間は出願日から20年(医薬品等は最大25年の延長可能)です。

  • 保護対象:自然法則を利用した技術的思想
  • 保護されない発明:自然現象、抽象的アイデア、ビジネス方法単独
  • 出願人:発明者または承継人

2. 特許要件(重要)

特許登録には以下の要件を満たす必要があります。

  • 産業利用性:産業上利用できる発明であること
  • 新規性:出願日前に公知でない発明(先願制度)
  • 進歩性:既知技術から容易に想到できない発明
  • 明確性:明細書に十分に記載されていること

3. 先願制度

同一の発明については先に出願した者に特許権が付与されます。出願日が重要であり、同一日の場合は協議で決定します。

4. 実用新案法

実用新案権は、特許より簡易な保護制度です。

  • 保護対象:物品の形状・構造・組合せに限定
  • 保護期間:出願日から10年
  • 審査方式:無審査主義(出願と同時に登録)
  • 登録後、実用新案技術評価書により有効性が判断される
  • 審判・異議申立てなし

5. 特許権の内容と権利行使

特許権者は、業として特許発明を実施する権利を独占します。

  • 実施:製造、使用、譲渡、輸入、提供等
  • 侵害者に対して差止請求・損害賠償請求が可能
  • 通常実施権の許諾により、他者に実施を許可できる

6. 職務発明

従業員が職務上生み出した発明に関する規定:

  • 発明者は従業員、出願権は使用者に帰属する場合が多い
  • 使用者が特許を受ける場合、発明者に相当な対価を支払う義務
  • 労働協約や就業規則で事前に定めることが重要

7. 特許出願の手続き

  • 出願:願書と明細書、特許請求の範囲、図面を提出
  • 方式審査:書類形式の確認
  • 実体審査請求:出願日から3年以内に請求(有料)
  • 審査:新規性・進歩性等を判断
  • 登録:審査を経て決定後、登録料支払いで完成

8. 不正競争防止法との関係

特許権に基づく権利では保護できない技術情報は、営業秘密として不正競争防止法で保護される場合があります。

頻出ポイント

  • 特許保護期間20年(実用新案は10年)の違いを明確に理解
  • 先願制度:「同一発明で複数出願がある場合、先出願者が優先」という原則
  • 実用新案の無審査主義と特許の審査制度の根本的な違い
  • 職務発明における発明者への対価支払い義務と企業の権利帰属
  • 特許要件4つ(産業利用性・新規性・進歩性・明確性)の具体例判定問題
関連過去問(19問)
令和3年度 第10問 特許法の規定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和3年度 第11問 特許権等の侵害や発明の実施に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和3年度 第15問 産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和3年度 第16問 設問1 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話を読んで、下...
令和3年度 第16問 設問2 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話を読んで、下...
令和4年度 第8問 産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和4年度 第9問 特許法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和4年度 第12問 実用新案法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和4年度 第14問 以下の会話は、発明家である甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行わ れたものである。この会話の中の空欄に入る記述と...
令和4年度 第16問 特許権及び著作権の共有に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、 共有者間の契約で別段の定めはないものとする。
令和5年度 第9問 特許法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和5年度 第10問 特許法及び実用新案法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和5年度 第11問 特許法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和5年度 第14問 以下の会話は、衣服メーカーの社長である甲氏と、中小企業診断士であるあなた との間で行われたものである。 この会話の中の空...
令和6年度 第10問 特許法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和6年度 第12問 以下の会話は、食品会社の社長である甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの 間で行われたものである。この会話の中の空欄Aと...
令和6年度 第17問 特許法上の職務発明に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第9問 特許法第35条に規定する職務発明に関する記述として、最も適切なものはどれ か。 なお、本問における「使用者等」とは、使用...
令和7年度 第10問 特許法第65条第1項に規定する補償金の支払を請求することができる権利(以下 「補償金請求権」という。)に関する記述として...
E8. 意匠法・商標法 10問

意匠法・商標法の要点まとめ

意匠法商標法は、企業のブランド資産を守る知的財産権の中核です。中小企業診断士試験では、実務的な活用シーンと法的保護の仕組みが問われます。

意匠法の基礎

意匠とは、物品の形状・模様・色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものです。工業製品の外観デザインを保護します。

  • 保護対象:物品の形状・模様・色彩(又はそれらの組み合わせ)
  • 出願から登録まで:約4~6ヶ月(通常は審査期間短い)
  • 登録有効期間:出願日から25年間
  • 国際出願:ハーグ協定により複数国への同時出願が可能
  • 関連デザイン制度:同一物品で類似デザインを出願する場合、本意匠と関連意匠を同時登録

意匠登録の要件として、新規性と創作性が必須です。公開日前1年以内に自ら発表したものは例外的に保護されます。

商標法の基礎

商標とは、商品やサービスを識別するための標識です。文字・図形・記号・色彩・立体形状など多様な形態で保護されます。

  • 保護対象:文字、図形、記号、色彩、立体形状、音、動きなど
  • 出願から登録まで:約8~10ヶ月(審査期間が長め)
  • 登録有効期間:登録日から10年間(更新により無期限継続可能)
  • 指定商品・役務:45分類(商品34類、役務11類)から選択
  • 国際出願:マドリッド協定議定書により複数国への同時出願

商標登録の要件は、自己の商品・役務と他人のそれを区別できることです。普通名称や著名な標章は原則登録不可ですが、使用による識別力の取得で例外があります。

実務的なポイント

  • 先使用権:意匠・商標とも、他人の権利設定前から使用していた者は継続使用可能
  • 侵害対象:意匠は外観の模倣品、商標は同一または類似商標の無断使用
  • 損害賠償:意匠・商標ともに侵害時は差止請求と損害賠償請求が可能
  • 権利範囲の違い:意匠は登録意匠に類似する物品のデザイン、商標は指定商品・役務での使用が対象
  • 更新と維持:商標は10年ごとに更新申請が必要(意匠は更新不要)

頻出ポイント

  • 有効期間の違い:意匠25年(更新なし)vs 商標10年(更新可能)の区別
  • ハーグ協定とマドリッド協定:意匠と商標の国際出願制度の使い分け
  • 商標の指定商品・役務:権利範囲を限定する重要な要素、範囲外では保護されない
  • 意匠の関連意匠制度:複数デザイン出願時の効率的な活用
  • 権利侵害と先使用権:実際の紛争シーンでの法的対応
関連過去問(10問)
令和3年度 第9問 意匠登録制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和3年度 第12問 以下の会話は、地方都市であるA市の経済団体の理事であるX氏と、中小企業診 断士であるあなたとの間で行われたものである。こ...
令和3年度 第13問 次の文章を読んで、問題に答えよ。 株式会社甲(以下「甲社」という。)は、商標「〇〇〇」を付した洋菓子Aを製造販売 してい...
令和4年度 第13問 以下の会話は、X株式会社を経営する甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの 間で行われたものである。この会話の中の空欄Aと...
令和5年度 第13問 商標法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和5年度 第15問 以下の会話は、英会話スクールを立ち上げる予定の甲氏と、中小企業診断士であ るあなたとの間で行われたものである。 この会話...
令和6年度 第13問 以下の会話は、レストランを立ち上げる予定の甲氏と、中小企業診断士であるあ なたとの間で行われたものである。この会話の中の...
令和6年度 第18問 商標法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第12問 以下の会話は、ワインメーカーであるX株式会社の社員甲氏と、中小企業診断士 であるあなたとの間で行われたものである。この会...
令和7年度 第16問 以下の会話は、X株式会社の代表取締役である甲氏と、中小企業診断士であるあ なたとの間で行われたものである。この会話の中の...
E9. 著作権法 6問

著作権法の基本構造と保護対象

著作権法は創作者の権利を保護し、文化的創作の促進を目的とする法律です。中小企業診断士試験では、実務的な著作権トラブルの判断が問われます。

著作物の要件

  • 思想又は感情を創作的に表現したもの
  • 文芸、学術、美術、音楽その他の範囲に属すること
  • 客観的に認識できる形で存在すること

著作物に該当しないもの:事実、アイデア、データ、簡単な組み合わせ、公開されている標題・見出し、ビジネス上の名称・スローガンなど

著作権の発生と保護期間

著作権は創作と同時に自動発生し、登録不要です。

  • 保護期間:著作者の死後70年(令和2年改正)
  • 法人著作:公表後70年(又は創作後70年のいずれか短い方)
  • 映画の著作物:公表後70年
  • 無名・変名著作物:公表後70年

著作権の内容と侵害

著作権は複合的権利で、以下から構成されます:

  • 複製権:複製物を作成する排他的権利
  • 上演・演奏権:公の場での上演・演奏
  • 公開放送権・送信可能化権:インターネット配信など
  • 翻訳・翻案権:改作を含む二次的著作物作成
  • 譲渡権:販売等による配布
  • 貸与権:レンタルなど

著作隣接権(実演家、レコード製作者、放送事業者に付与)も保護対象

著作権制限(正当な利用)

私的使用目的での複製、引用、教育機関での使用など、一定の著作権制限規定があります。

  • 私的複製:個人的利用・家庭内での複製(ただし技術的保護手段を回避する場合は除外)
  • 引用:正当な範囲内での公表著作物の引用(出典明示必須)
  • 教育機関での使用:授業・試験での複製・放送
  • 図書館での複製:利用者の調査研究のための複製

職務著作と委託著作

  • 職務著作:従業員が職務上作成した著作物は、契約や就業規則で定めがない限り法人が著作者
  • 委託著作:外部委託者が創作した場合、特段の定めがなければ委託者(受け取る側)が著作権を取得
  • 実務上は契約書で著作権の帰属を明確にすることが重要

実務的な留意点

  • インターネット上のコンテンツも著作権保護対象
  • ウェブデザイン、プログラムコード、商品説明文など多くが著作物
  • 許諾なき転載・複製・改変は侵害(ダウンロード・スクリーンショットも含まれる)
  • 侵害時の損害賠償請求や差し止め請求が可能

頻出ポイント

  • 保護期間70年の改正(令和2年)と計算方法
  • 著作物の要件:思想感情の創作的表現か否かの判断
  • 私的複製の例外:技術的保護手段の回避は許されない点
  • 職務著作と委託著作の区別:契約による帰属の明確化
  • ビジネス利用での侵害判定:引用との違い、正当な利用範囲の限定
関連過去問(6問)
令和4年度 第10問 著作権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和4年度 第15問 以下の会話は、X株式会社の広報担当者である甲氏と、中小企業診断士であるあ なたとの間で行われたものである。この会話の中の...
令和6年度 第14問 出版社を立ち上げる予定の甲氏は、中小企業診断士であるあなたに、以下の2つ の質問を列挙した用紙を見せた。あなたはそれに口...
令和6年度 第15問 喫茶店を立ち上げる予定の甲氏は、中小企業診断士であるあなたに、以下の2つ の質問をしている。空欄①と②には、あなたの回答...
令和7年度 第14問 以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、写真家である甲氏との間で行わ れたものである。この会話の中の空欄AとBに入る...
令和7年度 第15問 以下の会話は、メーカーであるX株式会社(以下「X社」という。)の広報部長の甲 氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行...
E10. 不正競争防止法・独占禁止法 7問

不正競争防止法の全体像

不正競争防止法は、不正な競争行為から企業の利益を保護する法律です。中小企業診断士試験では、営業秘密、商品等表示、限定提供データの3つの保護対象が重要です。

営業秘密の保護

営業秘密とは、以下の3要件を満たす情報です:

  • 秘密として管理されていること(客観的に秘密管理性がある)
  • 相当の経済的価値があること(競争上の優位性がある)
  • 合理的な非開示措置がとられていること(アクセス制限、契約条項など)

営業秘密の不正な使用・開示は、刑事罰(懲役10年以下または罰金2000万円以下)の対象となります。

商品等表示の保護

商品の名称、形状、パッケージなど商品等表示を他社が無断使用することは不正競争です。保護のポイント:

  • 周知性の獲得が必要(一定の地域・分野で広く知られていること)
  • 混同のおそれがあることが要件
  • 商標登録を補完する役割を果たす

限定提供データ(営業秘密に該当しないデータの保護)

営業秘密の要件を満たさないが、経済的価値があるデータを保護する制度です。以下の場合に保護されます:

  • データが限定的に提供される旨を相手に明示
  • 提供者が秘密保持措置を講じている
  • 提供先が故意に不正使用

独占禁止法の基本構造

独占禁止法は市場における自由競争を維持する法律です。違反行為は大きく3つに分類されます:

  • 私的独占:1企業が市場支配力を濫用して競争を阻害
  • カルテル・談合:複数企業が協力して競争制限(最も厳しく規制)
  • 不公正な取引慣行:優越的地位の濫用、排他的取扱など

優越的地位の濫用(出題頻度高)

大企業が取引先に対して優越的地位を濫用する行為は規制されます。具体例:

  • 下請業者に対する代金減額や支払遅延
  • 返品強要や過度な品質要求
  • 取引条件の一方的変更
  • 搾取的又は排他的な行為

公正取引委員会による審査と排除措置命令の対象です。

カルテル・談合の禁止

競争者同士が価格や市場分割について合意する行為は最も重大な違反です:

  • 課徴金:売上高の3~10%(初回は3%、再度は最大10%)
  • 刑事罰:懲役3年以下または罰金3億円以下
  • 入札談合は公共事業との関連で特に厳しく摘発

独占禁止法違反の手続

公正取引委員会が中心となって以下を実施します:

  • 審査:違反事実の調査
  • 排除措置命令:違反行為の中止・改善命令
  • 課徴金納付命令:経済的制裁
  • 刑事告発:検察へ送致(重大事件)

頻出ポイント

  • 営業秘密の3要件:秘密管理性、経済的価値、非開示措置の全てが必須
  • 不正競争防止法と商標法の違い:周知性の有無と保護対象の差異を理解
  • カルテル・談合:課徴金(売上高の3~10%)と懲役刑の両方が科される可能性
  • 優越的地位の濫用:親企業と下請企業の関係で問われやすい
  • 公正取引委員会の役割と権限:独占禁止法違反の審査・是正権を持つ行政機関
関連過去問(7問)
令和3年度 第8問 不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和4年度 第11問 不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和4年度 第17問 設問2 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話に基づき下記...
令和5年度 第7問 独占禁止法が定める課徴金減免制度に関する記述として、最も適切なものはどれ か。 なお、令和2年12月25日改正後の制度に...
令和5年度 第12問 不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和6年度 第9問 独占禁止法が定める課徴金および課徴金減免制度に関する記述として、最も適切 なものはどれか。 なお、本問においては、調査協...
令和7年度 第11問 不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、選択肢に おける「特定商品等表示」とは、人の業務に係る氏...
E11. 産業財産権の国際条約 4問

産業財産権の国際条約 - 中小企業診断士試験対策

産業財産権の保護は国内制度だけでは不十分なため、国際条約により多国間での権利保護が実現されています。中小企業診断士試験では、主要な国際条約の目的・仕組み・加盟国要件などが問われます。

主要な国際条約の体系

パリ条約(1883年発効)

  • 産業財産権保護の最も古い多国間条約
  • 特許・意匠・商標を対象
  • 優先権制度:一国で出願後、12ヶ月以内に他国出願すれば同一出願日として扱う
  • 国民待遇の原則:他国民の権利を自国民と同等に扱う義務
  • 現在170以上の国が加盟

TRIPS協定(知的所有権の貿易関連側面に関する協定、1995年発効)

  • WTO協定の一部として採択
  • パリ条約を補完・強化
  • 特許権の最低保護期間:出願日から20年
  • 著作権の最低保護期間:創作後50年(またはその他の基準)
  • 加盟国に対する強制力が強く、紛争解決メカニズムを備える

特許協力条約(PCT、1970年発効)

  • 国際特許出願制度を提供
  • 一出願で複数国への出願効果:WIPO国際事務局に一括出願可能
  • 手続の統一化と費用削減
  • 160以上の国が加盟

マドリッド協定議定書(商標の国際登録制度、1989年発効)

  • 一国での商標登録をベースに複数国に拡大
  • 手続の簡素化と費用節減
  • 加盟国数は約140ヶ国以上

その他の重要条約

  • ハーグ協定:意匠の国際登録制度(1925年発効)
  • ベルヌ条約:文学的及び美術的著作物の保護(著作権)
  • ローマ条約:実演家・レコード製作者・放送機関の権利保護

国内出願と国際出願の選択ポイント

中小企業が国際展開を検討する際、単国出願よりも国際条約を活用する方が費用効率的です。特にPCTマドリッド協定議定書は、中小企業の国際的な権利保護戦略の中心です。

頻出ポイント

  • パリ条約の優先権制度:12ヶ月以内の出願が同一出願日扱いされる仕組みの理解
  • TRIPS協定の強制力:WTO加盟国に対する紛争解決メカニズム
  • PCT出願の実務的メリット:複数国同時出願による時間・費用の効率化
  • 特許権の最低保護期間:TRIPS協定で定められた「出願日から20年」
  • 各条約の適用対象:特許・意匠・商標の保護範囲の使い分け
関連過去問(4問)
令和3年度 第14問 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願制度に関する以下の文章において、空欄 AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切...
令和6年度 第11問 産業財産権に関する法律についての記述として、最も適切なものはどれか。
令和6年度 第16問 工業所有権の保護に関するパリ条約に関する記述として、最も適切なものはどれ か。
令和7年度 第13問 パリ条約に関する記述として、最も適切なものはどれか。
E12. 民法(契約・債権) 20問

民法(契約・債権)の要点まとめ

中小企業診断士試験E科目では、実務的な契約・債権問題が毎年20問出題されます。特に契約の成立要件債権債務関係時効といった基本概念の理解が必須です。

1. 契約成立の基本構造

契約は「申し込み」と「承諾」の合致で成立します。以下の点に注意してください。

  • 申し込みは相手方を拘束する意思表示(誰でも契約できるわけではない)
  • 承諾は申し込みの内容に対する同一の意思表示
  • 承諾期間内の撤回は可能だが、承諾後の撤回は原則不可
  • 売買契約は合意のみで成立(引き渡しや代金支払いは別)

2. 主要な債権債務関係

債権(請求権)と債務(履行義務)は対応関係にあります。

  • 売買契約:売主は所有権移転・引き渡し義務、買主は代金支払い義務
  • 金銭債権:利息が定められていない場合、原則として利息なし
  • 遅延損害金:支払い遅延時の損害賠償(利率は年5%が基本)
  • 債務者が複数の場合の連帯債務:各自が全額請求可能

3. 時効制度(特に重要)

企業実務で最も頻出です。

  • 消滅時効:権利を行使しないと時効により債権が消滅
    • 原則:10年
    • 短期時効:職人の報酬は1年、商人間の売掛金は5年
  • 時効の中断:請求、差し押さえ、承認により時効がリセット
  • 時効の援用:時効期間経過後、時効を主張する権利(自動的には消滅しない)

4. 契約の解除と無効

  • 解除権:契約後も相手方の債務不履行で解除可能(催告後相応の期間経過が必要)
  • 無効な契約:成立そのものが法律に反する場合(不法領域など)
  • 取り消し:詐欺・脅迫を受けた者が一定期間内に取り消し可能
  • 取り消し期間:原則1年以内(知った時から)

5. 担保制度(実務的ポイント)

  • 保証:保証人が債務者と連帯して債務を負担する
  • 質権:債権者が物を担保として占有
  • 抵当権:物を占有しないが設定できる(不動産が主)

頻出ポイント

  • 時効の中断・援用:毎年出題、計算問題も含まれる
  • 売買契約の成立時期:引き渡しとの時間的関係を正確に
  • 短期時効(1年・5年):商取引での実務的期限として重要
  • 債務不履行と解除要件:「いつ」「どのように」解除できるかの判断
  • 契約の有効性判定:新規事業開発や契約トラブル相談で必須
関連過去問(20問)
令和3年度 第2問 民法が定める消費貸借に関する記述として、最も適切なものはどれか。 なお、「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第4...
令和3年度 第17問 設問1 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話を読んで、下...
令和3年度 第17問 設問2 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話を読んで、下...
令和3年度 第18問 設問1 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話を読んで、下...
令和3年度 第18問 設問2 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話を読んで、下...
令和3年度 第19問 民法の定める解除に関する記述として、最も適切なものはどれか。 なお、「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号...
令和3年度 第20問 設問1 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話を読んで、下...
令和3年度 第20問 設問2 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話を読んで、下...
令和4年度 第17問 設問1 以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたと の間で行われたものである。この会話に基づき下記...
令和4年度 第19問 保証に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はな いものとする。
令和4年度 第20問 相殺に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はな いものとする。
令和5年度 第16問 設問1 以下の会話は、X株式会社の代表取締役である甲氏と、中小企業診断士であるあ なたとの間で行われたものである。この会話を読ん...
令和5年度 第21問 相殺に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はな いものとする。
令和6年度 第19問 次の条項は、日本企業と外国企業との間で締結された英文契約において規定され ていたものである。空欄に入る語句として、最も適...
令和6年度 第20問 民法が定める売買契約の契約不適合責任に関する記述として、最も適切なものは どれか。
令和6年度 第21問 売買契約における手付に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和6年度 第24問 民法上の不法行為に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第18問 保証に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第19問 民法が定める消費貸借に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第20問 民法が定める請負に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、特約は ないものとする。
E13. 民法(物権・担保・相続) 10問

民法(物権・担保・相続)概要

中小企業診断士試験E科目では、経営と関連する民法の基礎知識が問われます。特に物権・担保・相続は企業の資産管理や事業承継に直結するため、実践的な理解が必要です。

物権の基礎

物権とは、物に対する直接的な支配権であり、その典型は所有権です。物権は以下の特徴があります:

  • 絶対権性:誰に対しても主張できる
  • 追及力:物がどこにあっても権利を追及できる
  • 物権化:法律で定められた種類のみ成立
  • 登記による公示:不動産物権は登記で公示される

占有権は物を事実上支配する権利で、登記がなくても効力を発生させる重要な物権です。

担保物権

債務不履行時に担保となる物権で、主なものは以下の通りです:

  • 抵当権:不動産に設定、目的物を占有しない、順位付け可能
  • 質権:動産・債権に設定、質権者が占有(質物を預ける)
  • 留置権:債権者が他人の物を保有し、債務不履行時に売却可能

抵当権は企業融資で最も重要です。設定登記により優先弁済権が生じ、複数の抵当権がある場合は登記の先後順位で決定されます。

相続の基本構造

相続は被相続人(故人)の権利義務を相続人が承継するものです。相続の開始は被相続人の死亡時です。

相続人の範囲と順位(法定相続):

  • 第1順位:子(養子含む)
  • 第2順位:親(子がいない場合)
  • 第3順位:兄弟姉妹(上記がいない場合)
  • 配偶者:常に相続人(順位なし)

法定相続分の目安(遺言がない場合):

  • 配偶者+子:配偶者1/2、子1/2(複数の場合は等分)
  • 配偶者+親:配偶者2/3、親1/3
  • 配偶者+兄弟姉妹:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4

相続手続きと選択肢

相続人は以下の選択が可能です(期限:3ヶ月以内):

  • 単純承認:資産も債務も全て承継(最も一般的)
  • 限定承認:資産の範囲内で債務を負担(家庭裁判所に申述)
  • 相続放棄:資産も債務も放棄(家庭裁判所に申述)

遺産分割前に被相続人の債務が判明した場合、限定承認または放棄の選択肢があります。

遺言と事業承継

遺言は被相続人の意思を相続に反映させる重要な手段です。中小企業では事業承継の円滑化に活用されます。

  • 自筆証書遺言:全文自筆で署名・押印(法改正により財産目録は別紙で可)
  • 公正証書遺言:公証人作成(最も確実、費用がかかる)
  • 秘密証書遺言:実務上稀少

遺留分制度により、特定の相続人(配偶者・直系卑属・直系尊属)は遺言の内容に関わらず、一定割合の相続が保障されます。

頻出ポイント

  • 抵当権と質権の相違点:占有の有無、設定対象(不動産vs動産)
  • 相続人の順位と法定相続分:数値を含めた暗記が必須
  • 3ヶ月の期限:単純承認と放棄の選択期限
  • 登記による公示:物権(特に不動産)の効力発生要件
  • 事業承継と遺言:中小企業の後継者指定における活用法
関連過去問(10問)
令和3年度 第7問 設問1 以下の会話は、X株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏と、中小企業 診断士であるあなたとの間で行われたものであ...
令和4年度 第18問 時効に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はな いものとする。
令和4年度 第21問 被相続人Xが死亡し、相続が生じた。AはXの配偶者である。B、C、E及びG はA及びXの子である。DはCの配偶者であり、I...
令和4年度 第22問 相続に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、「民法及び家事事件 手続法の一部を改正する法律」(平成30年法律第...
令和5年度 第17問 設問1 以下は、中小企業診断士であるあなたと、X株式会社の代表取締役甲氏との会話 である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。...
令和5年度 第17問 設問2 以下は、中小企業診断士であるあなたと、X株式会社の代表取締役甲氏との会話 である。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。...
令和5年度 第20問 共有に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はな いものとする。
令和7年度 第17問 A、BおよびCが各3分の1の割合で甲土地を共有している場合に関する記述と して、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第21問 遺言に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第22問 遺留分に関する記述として、最も適切なものはどれか。
E14. その他法律(消費者保護・紛争解決等) 12問

消費者基本法と消費者保護体制

消費者基本法は消費者保護の基本理念を定める法律で、国・地方自治体・事業者の責務を規定しています。消費者庁が一元的に消費者行政を推進し、地域の消費生活センターが相談窓口として機能しています。

  • 消費者庁:消費者保護の司令塔機能、制度整備・事業者監視
  • 消費生活センター:相談・苦情受付、情報提供、啓発活動
  • 消費者委員会:諮問機関として消費者保護施策を審議

特定商取引法の基本構造

特定商取引法は訪問販売・通信販売・電話勧誘販売などを規制する重要法。事業者に対し、表示義務、説明義務、クーリングオフ権付与などを課しています。

  • 訪問販売:8日以内のクーリングオフ権、重要事項の書面交付義務
  • 通信販売:返品特約の表示義務(返品不可の場合も明示必須)
  • 電話勧誘販売:勧誘禁止時間帯の設定(21時~8時)、リスト規制
  • 連鎖販売取引(マルチ商法):特別な規制、虚偽説明の禁止

消費者契約法のポイント

消費者契約法は消費者と事業者間の契約を保護。不当な条項の無効化、取消権の付与が主な内容です。

  • 不当条項の無効:事業者免責条項、消費者に過度な責任転嫁は無効
  • 取消権:重要情報の不告知不実告知の場合、消費者は契約を取り消せる(取消期間:6ヶ月以内)
  • 合意解除条項:解約手数料が実損を超える場合は無効
  • 適用対象:全業種(金融商品を除く一部)

製品安全・表示規制

消費生活用製品安全法は重大事故を防止する仕組みで、特定製品(ライター・浴槽用温度調節器など)に安全基準を設定。事業者の報告義務、リコール対応が求められます。

  • 特定製品制度:基準適合義務、PSCマーク表示
  • 重大事故の報告:死傷事故は消費者庁へ報告(48時間以内)
  • 景品表示法:虚偽・誇大広告の禁止、不当な景品制限

紛争解決メカニズム

消費者トラブルの解決には段階的な手段があります。

  • 消費生活センター:第一次的相談機関、助言・あっせん
  • 国民生活センター:全国ネットワーク、広域的・複雑な事案対応
  • 消費者団体訴訟制度:認定団体による差し止め請求・集団代表訴訟
  • 調停・仲裁:弁護士会、商工会議所の紛争解決機関
  • 裁判:簡裁(少額訴訟)、地裁を活用

頻出ポイント

  • クーリングオフの要件:訪問販売8日以内、書面で意思表示、一部適用除外商品の把握
  • 消費者契約法の取消権:不実告知・重要情報不告知で6ヶ月以内に取消可能
  • 製品事故報告義務:重大事故は48時間以内に消費者庁へ報告
  • 消費生活センターの機能:相談・助言・あっせんが主要業務、法的強制力は限定的
  • 特定商取引法の各取引類型:訪問・通信・電話勧誘・連鎖販売の規制内容の相違を区別
関連過去問(12問)
令和3年度 第4問 破産手続及び民事再生手続に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和3年度 第5問 下表は、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)に基づく懸賞に よる景品類の提供に関する景品類の限度額をま...
令和5年度 第8問 民事再生手続における双務契約の取り扱いに関する記述として、最も適切なもの はどれか。なお、別段の意思表示はないものとする...
令和5年度 第16問 設問2 以下の会話は、X株式会社の代表取締役である甲氏と、中小企業診断士であるあ なたとの間で行われたものである。この会話を読ん...
令和5年度 第18問 製造物責任に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和5年度 第19問 不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)で定義される表示に関す る記述として、最も適切なものはどれか。
令和6年度 第22問 不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)に関する記述として、最 も適切なものはどれか。
令和6年度 第23問 消費者契約法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第7問 以下の会話は、X株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏と、中小企業 診断士であるあなたとの間で、下請代金支払遅...
令和7年度 第8問 以下は、ある海外企業との販売基本契約書において規定された紛争解決に関する 条項である。 この契約条項に関する記述として、...
令和7年度 第23問 製造物責任法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第24問 裁判所の紛争解決手続に関する記述として、最も適切なものはどれか。