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📖 経営情報システム

出題傾向(R3〜R7)

出題あり 出題なし R3 R4 R5 R6 R7
F1. ハードウェア 8問

中小企業診断士試験 F科目「ハードウェア」要点まとめ

1. コンピュータの基本構成

CPU(中央処理装置)は計算・制御を行う演算装置であり、クロック周波数(GHz単位)が高いほど処理速度が速い。主なメーカーはインテル、AMD、Apple等。

  • CPU選定時の評価軸:処理速度、消費電力、発熱、コスト
  • マルチコアプロセッサ:複数のコアで並列処理が可能

2. メモリシステム

メモリ階層は処理速度と容量のトレードオフを解決する仕組み。

  • RAM(主記憶):最も高速で電源切断でデータ消失(揮発性)
  • キャッシュメモリ:CPU直結で超高速(L1→L2→L3の階層構造)
  • ROM:不揮発性でファームウェア保持
  • メモリ容量と処理速度のバランスが重要

3. ストレージデバイス

HDD(ハードディスク)SSD(ソリッドステートドライブ)が主流。

  • HDD:大容量・低コスト・回転遅延あり(5,400~7,200rpm)
  • SSD:高速・耐震性・高価格・寿命管理が必要
  • NAND型フラッシュメモリの採用がSSD標準
  • データセンター用にはNVMe接続が採用

4. 入出力インターフェース

  • USB:汎用シリアルバス(USB 3.0以上で高速化)
  • HDMI:映像・音声の統合転送
  • Thunderbolt:最高速(40Gbps)の転送規格
  • PCIe:内部拡張スロット用、バージョンで速度が異なる(Gen3~5)

5. 電源・冷却・信頼性

企業システムでは耐久性と稼働率が重要。

  • UPS(無停電電源装置):電源喪失時のデータ保護
  • 冗長性設計:RAID、ホットスワップ対応
  • MTBF(平均故障間隔):信頼性評価指標(時間単位)
  • サーバー用部品の耐環境性能が必須

6. パフォーマンス評価

  • ベンチマークテスト:標準的な処理負荷で性能測定
  • スループット:単位時間当たりの処理量
  • レイテンシ:処理遅延時間
  • 用途別(サーバー、ワークステーション、エンドユーザー)での適切な選定が必須

頻出ポイント

  • CPU、メモリ、ストレージの3層構成と役割の理解
  • HDD vs SSD の特性比較と使い分け
  • 企業システムでのUPS、RAID、冗長性の重要性
  • インターフェース規格(USB、HDMI、PCIe、Thunderbolt)の速度と用途
  • MTBF、ベンチマークなどの定量的評価指標の活用
関連過去問(8問)
令和3年度 第1問 パーソナルコンピュータ(PC)の利用においては、多様な種類の周辺機器をPC 本体に接続することがある。 USB規格に基づ...
令和3年度 第2問 中小企業でも検品・棚卸等の業務で商品の個体識別にRFIDが用いられるように なってきた。 RFIDに関する記述として、最...
令和4年度 第12問 企業は環境変化に対応するために、コンピュータシステムの処理能力を弾力的に 増減させたり、より処理能力の高いシステムに移行...
令和5年度 第1問 フラッシュメモリに関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群か ら選べ。 a 揮発性メモリであるので、紫外線を...
令和5年度 第10問 ストレージ技術に関する以下のa~eの記述とその用語の組み合わせとして、最 も適切なものを下記の解答群から選べ。 a RA...
令和5年度 第14問 コンピュータで音・画像・動画を利用するには、アナログデータをデジタル化す る必要がある。 音をデジタルデータに変換するこ...
令和6年度 第1問 タッチパネルの原理や機能に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切な ものを下記の解答群から選べ。 a 静電容量方式...
令和7年度 第1問 PCやスマートフォンなどに周辺機器を接続するUSBに関する記述の正誤の組 み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群か...
F2. ソフトウェア・OS 6問

ソフトウェア・OSの試験対策要点

中小企業診断士試験において、ソフトウェア・OSは経営とIT活用の実務的な理解が問われます。特に中小企業の情報化推進における選択肢や課題が出題の中心です。

1. OSの種類と特徴

OS(オペレーティングシステム)は、コンピュータの基本的な動作を管理するソフトウェアです。中小企業が選択する主要なOSの理解が重要です。

  • Windows:市場シェア最大、ビジネスアプリケーション豊富、ライセンスコスト発生
  • macOS:セキュリティ性能高い、クリエイティブ業務向け、専用ソフト限定的
  • Linux:オープンソース、ライセンス無料、サーバー環境で多用
  • Android/iOS:モバイルデバイス用、スマートフォン・タブレット普及

2. ソフトウェアの分類と導入形態

中小企業の経営効率化におけるソフトウェア選択は戦略的な判断が必要です。

  • パッケージソフト:既製品、導入が早い、カスタマイズ限定的
  • カスタムソフト:自社仕様に対応、開発期間・コスト大きい
  • SaaS(Software as a Service):クラウド型、ライセンス費用、初期投資少ない
  • オープンソースソフト:ライセンス無料、技術サポート必要

3. 中小企業のソフトウェア導入における課題

  • ライセンスコスト管理と予算配分
  • 既存システムとの互換性・連携
  • セキュリティリスク対応(特にクラウド利用時)
  • 従業員の操作習熟と教育コスト
  • サポート体制の整備(社内IT人材不足)

4. デジタル化推進とソフトウェア活用

DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、中小企業もクラウドツールやSaaSの導入が加速しています。

  • 業務プロセスの効率化(RPA、自動化ツール)
  • データ分析による意思決定の高度化
  • リモートワーク対応ツールの必要性増加
  • サイバーセキュリティ対策の強化

5. ソフトウェアライセンスの管理

  • ライセンス形態:パーソナル、ボリュームライセンス、サブスクリプション型
  • コンプライアンス:違法コピー防止、ライセンス監査対応
  • 総所有コスト(TCO):導入費、保守費、教育費を総合評価

頻出ポイント

  • SaaS/クラウドツールの活用メリット・デメリット(初期投資vs継続費用、セキュリティ課題)
  • オープンソースソフトの特性(無料だが技術サポート必要、中小企業での活用シーン)
  • ソフトウェア導入時の業務改革(単なるシステム導入ではなく業務プロセス改善とセット)
  • ライセンス管理とコンプライアンス(コスト削減と法的リスクのバランス)
  • セキュリティ対策としてのOS/ソフト選択(更新頻度、サポート期間の考慮)
関連過去問(6問)
令和3年度 第3問 クラウドを支える仮想化技術の1つにコンテナ技術がある。 コンテナ技術に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和3年度 第4問 中小企業診断士は、アプリケーションソフトウェア(アプリケーション)の動作に 必要な他のソフトウェアの役割・機能についても...
令和3年度 第5問 ソフトウェアには、ソースコードが無償で公開されているものがある。中小企業 でも、このようなソフトウェアを用いることが少な...
令和4年度 第6問 コンピュータ内で特定のファイルの所在を表す際に相対パスが用いられる。相対 パスに関する記述として、最も適切なものはどれか...
令和6年度 第2問 文字コードに関する記述とその用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記 の解答群から選べ。 a 7ビットの文字コードで...
令和7年度 第2問 クラウドコンピューティングにおいて、仮想化技術はITリソースの効率的な活 用を支えている。仮想化技術に関する記述として、...
F3. データベース 14問

データベースの基礎概念

データベースとは、企業活動に必要なデータを体系的に整理・保存し、効率的に検索・活用できるようにした情報システムです。中小企業診断士試験では、経営戦略と結びつけたデータベース活用が重要な出題ポイントとなります。

主要なデータベース構造

  • リレーショナルデータベース(RDB):テーブル(表)形式で複数のデータを関連付けて管理。実務で最も一般的
  • 階層型データベース:親子関係で階層的に組織。検索が高速だが柔軟性に欠ける
  • ネットワーク型データベース:複雑な関連付けが可能。汎用性が高い

正規化と設計

正規化は、データの重複排除と整合性確保を目的としたデータベース設計プロセスです。段階的に進行します。

  • 第1正規形:繰り返しグループを排除
  • 第2正規形:部分関数従属を排除
  • 第3正規形:推移関数従属を排除

キー概念

  • 主キー(Primary Key):各レコードを一意に識別するカラム
  • 外部キー(Foreign Key):他のテーブルの主キーを参照し、テーブル間の関連付けを実現
  • 複合キー:複数のカラムの組み合わせで一意性を確保

データベースの実務活用

中小企業におけるデータベース導入は、顧客情報管理、在庫管理、販売分析などの経営課題解決に直結します。

  • CRM(Customer Relationship Management):顧客関係管理により営業効率化
  • ERPシステム:経営資源統合により業務プロセス最適化
  • データマイニング:蓄積データから経営上の洞察を抽出
  • BIツール:ビジネスインテリジェンスによる意思決定支援

セキュリティとガバナンス

  • アクセス制御:ユーザー認証と権限管理
  • バックアップ:定期的なデータ復旧体制の構築
  • 監査ログ:データアクセス記録による追跡可能性確保
  • 個人情報保護:GDPR等の法的要件への対応

クラウドデータベース

中小企業にとって、クラウドベースのデータベースサービスは初期投資削減とスケーラビリティの面で有利です。

  • 初期構築コストの低減
  • メンテナンスの外部委託
  • データのリアルタイム共有
  • 災害時の事業継続性確保

頻出ポイント

  • リレーショナルデータベースの正規化プロセス:第1〜3正規形の概念と実装
  • キー概念の理解:主キー、外部キー、複合キーの役割と設計への影響
  • 経営課題とのリンク:CRM、ERP導入による業務改善効果の評価
  • 中小企業のシステム選択:クラウドベースの利点と実装時の留意点
  • データセキュリティ:アクセス管理、バックアップ、個人情報保護の実務対応
関連過去問(14問)
令和3年度 第8問 意思決定や計画立案のために、データを収集して加工・分析することがますます 重要になってきている。以下の文章の空欄A〜Dに...
令和3年度 第10問 ある中小企業における今週のA部門とB部門の販売実績は、販売実績表A、販売 実績表Bのとおりであった。UNION句を用いて...
令和4年度 第4問 データを格納する考え方としてデータレイクが注目されている。データレイクに 関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和4年度 第5問 「アルバイト担当者」表から電話番号が「03-3」から始まる担当者を探すために SQL文を用いる。以下のSQL文の空欄に指...
令和4年度 第14問 情報システムにおいてデータベースは要となるものである。データベースに関す る記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答...
令和5年度 第4問 近年、デジタルデータの多様化に伴い、構造化データに加えて半構造化データな らびに非構造化データの利活用の重要性が高まって...
令和5年度 第5問 データベース管理システム(DBMS)に関する記述として、最も適切なものはどれ か。
令和5年度 第8問 以下に示す表は、ある小売店が利用している受注管理表の一部である。この表に 関する正規化の観点からの記述として、最も適切な...
令和5年度 第9問 以下に示す、ある小売店における販売データ「取引記録」から併売分析を行いた い。異なる2つの商品の組み合わせに対して、それ...
令和6年度 第7問 以下に示す表は、ある小売店が利用している受注管理表の一部である。この表を 正規化した構造として、最も適切なものを下記の解...
令和6年度 第8問 以下に示す、ある小売店における販売データ「取引記録」から、販売店別の商品ご との販売個数を集計した「店舗別商品販売個数」...
令和7年度 第11問 以下に示す表は、ある学校における特定の期間中の開講講座の一覧である。この 表に関する正規化の観点からの記述の正誤の組み合...
令和7年度 第12問 あるメーカーでは、カスタマーサポートや新製品のプロモーションなどのため に、Webサイトを通じて顧客にユーザ登録と購入し...
令和7年度 第16問 データウェアハウスに関する記述として、最も適切なものはどれか。
F4. ネットワーク 10問

中小企業診断士試験 F科目「ネットワーク」対策

ネットワーク経営戦略は、複数の企業が相互に協力し、競争力を高める経営形態です。令和4年度から毎年出題されており、その重要性は増加傾向にあります。

1. ネットワーク経営の基本概念

ネットワークとは、複数の独立した企業が、対等な関係で相互に連携・協力する関係性を指します。垂直統合や水平統合とは異なり、企業の独立性を保ちながら協力するのが特徴です。

  • メリット:柔軟性、リスク分散、イノベーション促進、経営資源の効率化
  • デメリット:調整コスト、意思決定の複雑さ、信頼構築の必要性

2. ネットワークの主要タイプ

  • サプライチェーン・ネットワーク:原材料調達から製造・流通・販売までの一連のプロセスを複数企業で分担
  • クラスター:地理的に集中した企業群が知識・技術を共有し、相乗効果を生み出す(ポーターのダイヤモンドモデルと関連)
  • 戦略的アライアンス:特定の事業目標達成のため、一時的に複数企業が協力
  • コンソーシアム:共通の目標達成のため、複数企業・団体が組織化した協働体

3. ネットワークガバナンスの構造

ネットワークが機能するには、参加企業間の関係を統治する仕組みが必要です。

  • 権力構造:主導的企業(ハブ企業)の存在と影響力
  • 調整メカニズム:価格メカニズム、官僚的調整、社会的調整の3つ
  • 信頼と互恵性:長期的な関係構築による相互信頼の醸成が重要

4. ネットワークと競争優位

企業の競争優位は、個社の能力ではなくネットワーク全体の質に依存する傾向が強まっています。

  • 知識共有によるイノベーション創出
  • 部品・サービスの標準化による効率化
  • 複数企業によるリスク分散
  • スピード:意思決定の迅速性

5. 中小企業における活用ポイント

  • 自社の経営資源不足を補うパートナー選定の重要性
  • 業界団体や商工会議所を活用したネットワーク構築
  • 地域内のクラスター形成への参加
  • デジタルプラットフォーム(B2B、マッチング支援)の活用

頻出ポイント

  • ネットワークと統合の違い:独立性の保持が最大の特徴(毎年必出)
  • ガバナンス構造:ハブ企業の役割と権力配分のバランス
  • 信頼と社会的調整:長期的な関係構築の重要性
  • 中小企業の活用戦略:経営資源補完型パートナーシップの構築
  • クラスター:地理的集中による相乗効果の実践的理解
関連過去問(10問)
令和4年度 第1問 インターネットへの接続やデジタル機器同士のデータ交換の際に用いる無線通信 技術にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を...
令和4年度 第7問 ネットワーク上では多様な通信プロトコルが用いられている。通信プロトコルに 関する記述とその用語の組み合わせとして、最も適...
令和4年度 第8問 IPアドレスやドメインに関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和5年度 第6問 サーバへのアクセス集中はサーバのレスポンス低下を招き、著しく利便性を損な う可能性がある。そこで、ロードバランサ(負荷分...
令和5年度 第11問 IPv4ネットワークにおいては、ネットワークが使用するIPアドレスの範囲を指 定するのにサブネットマスクが利用される。 ...
令和5年度 第12問 LANを構成するために必要な装置に関する以下のa~eの記述とその装置名の 組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群...
令和5年度 第13問 ネットワークシステムの性能に関する以下の文章の空欄A~Eに入る用語の組み 合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から...
令和6年度 第9問 通信プロトコルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和7年度 第3問 RFIDは、検品や棚卸などの業務で商品の識別に用いられる技術である。RFID に関する記述として、最も適切なものはどれか...
令和7年度 第5問 情報ネットワークで用いられる通信プロトコルに関する記述とその用語の組み合 わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選...
F5. セキュリティ 20問

セキュリティ - 中小企業診断士F科目 受験対策

1. 情報セキュリティの基本概念

CIA トライアングルが基本となります。

  • 機密性(Confidentiality):許可されていない者に情報が漏洩しないこと
  • 完全性(Integrity):データが改ざんされず正確に保たれること
  • 可用性(Availability):必要な時に情報・システムが利用できること

2. セキュリティ脅威と対策

主要な脅威と対応策

  • マルウェア:ウイルス、ワーム、トロイの木馬 → アンチウイルスソフト導入
  • フィッシング詐欺:偽のメールやWebサイト → 従業員教育、メール検証
  • ランサムウェア:データを暗号化して身代金要求 → バックアップ、段階的アクセス制御
  • 内部脅威:従業員による情報漏洩 → アクセス権限管理、監査ログ

3. セキュリティ対策の実装

多層防御(Defense in Depth)が重要です。

  • 技術的対策:ファイアウォール、暗号化、認証(多要素認証)、VPN
  • 物理的対策:サーバー室の施錠、監視カメラ、ID カード管理
  • 組織的対策:セキュリティポリシー策定、定期的な訓練、インシデント対応計画

4. セキュリティ標準・フレームワーク

  • ISO/IEC 27001:情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証基準
  • NIST サイバーセキュリティフレームワーク:5つの機能(特定→保護→検知→対応→復旧)
  • PCI-DSS:クレジットカード情報取扱事業者向けセキュリティ基準
  • GDPR/個人情報保護法:個人データ保護の法的要件

5. アクセス管理と認証

  • 最小権限の原則:ユーザーに必要最小限の権限のみ付与
  • 多要素認証(MFA):パスワード+生体認証など複数の認証方式
  • シングルサインオン(SSO):一度の認証で複数システムにアクセス
  • アクティビティログ監視:誰が何をいつ実行したかを記録・監査

6. インシデント対応

セキュリティ事象が発生した際の対応フロー:

  • 検知・報告:異常検知と迅速な報告体制
  • 初期対応:被害拡大防止、証拠保全
  • 調査・分析:原因特定、影響範囲確認
  • 復旧・検証:システム復旧と動作確認
  • 事後対応:再発防止策の実施、ステークホルダー通知

頻出ポイント

  • CIA トライアングルの定義と具体例:試験頻出の基本概念
  • 多層防御と各層の対策内容:技術的・物理的・組織的対策を横断的に理解
  • アクセス管理と最小権限の原則:内部統制観点での重要性
  • セキュリティ標準(ISO27001、NIST)の役割:中小企業の実装基準として出題
  • インシデント対応計画の必要性:事後対応より予防・検知・対応体制整備が問われる
関連過去問(20問)
令和3年度 第11問 情報システムの利用において、利用者を認証する仕組みの理解は重要である。 それらに関する記述として、最も適切なものはどれか...
令和3年度 第21問 業務システムのクラウド化やテレワークの普及によって、企業組織の内部と外部 の境界が曖昧となり、ゼロトラストと呼ばれる情報...
令和3年度 第22問 情報処理推進機構(IPA)は「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」を公 開している。このガイドライン付録の「情報...
令和3年度 第25問 コロナ禍の影響もあり、テレワークが一般化してきた。テレワークを行うには、 社内で行っていた作業環境をリモートで実現する必...
令和4年度 第16問 パスワードを適切に設定して管理することは、ネットワーク社会でセキュリティ を守るための基本である。 総務省は、「IDとパ...
令和4年度 第17問 情報セキュリティマネジメントにおいては、情報セキュリティリスクアセスメン トの結果に基づいて、リスク対応のプロセスを決定...
令和4年度 第20問 デジタル署名に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選 べ。 a 送信者のなりすましを防ぎ、本人が送信...
令和4年度 第25問 ブロックチェーン技術に関する記述として、最も適切なものはどれか。
令和5年度 第21問 テレワークで利用するモバイル端末に対して、安全かつ効率的な管理が求められ ている。この管理に関する記述として、最も適切な...
令和5年度 第22問 ネットワークのセキュリティを確保することは重要である。ネットワークセキュ リティに関する以下のa~eの記述とその用語の組...
令和5年度 第23問 JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)におけるリス クに関する以下の記述の空欄A...
令和6年度 第11問 クラウドサービスを利用する際、セキュリティやコンプライアンスなどの責任範 囲を、クラウドサービスを提供する事業者とクラウ...
令和6年度 第13問 キャッシュレス決済の技術や仕組みに関する記述の正誤の組み合わせとして、最 も適切なものを下記の解答群から選べ。 a IC...
令和6年度 第17問 近年パスワードレス認証が普及してきた。パスワードレス認証の方法に関する記 述として、最も適切なものはどれか。
令和6年度 第18問 サイバー攻撃の手口はますます多様化し、巧妙になっている。ゼロデイ攻撃に関 する記述として、最も適切なものはどれか。
令和6年度 第19問 情報セキュリティ管理に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なもの を下記の解答群から選べ。 a CC(Commo...
令和6年度 第20問 ある会社では、本店とA支店の間を通信回線で結んでいる。A支店は重要な支店 であるため、バックアップ回線として別の通信会社...
令和7年度 第6問 ブロックチェーン技術に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なもの を下記の解答群から選べ。 a コンソーシアム型...
令和7年度 第19問 近年、中小企業においてもランサムウェアによる被害が増加している。ランサム ウェアに関する記述として、最も適切なものはどれ...
令和7年度 第20問 AIの普及に伴い、AIシステムに対してさまざまな攻撃がなされるようになっ た。これらの攻撃に関する以下の文章の空欄A~C...
F6. システム開発 11問

システム開発の基本概念

システム開発とは、経営課題を解決するためにICTを活用して、新たな情報システムを企画・設計・構築・運用する一連のプロセスです。中小企業診断士試験では、開発手法、プロジェクト管理、要件定義から運用までの全体像が問われます。

主要な開発手法

  • ウォーターフォール型:要件定義→設計→実装→テスト→運用の段階を順序立てて実行。大規模システムや要件が明確な場合に適用
  • アジャイル型:短期間の反復(スプリント)で機能を段階的に開発・改善。変化する要件に対応しやすく、早期の価値提供が可能
  • プロトタイプ型:試作品を作成してユーザーの反応を確認し、本開発に反映させる方法

開発プロセスの各段階

  • 企画・要件定義:経営目標と連携させ、システムに求める機能・性能・品質を明確化
  • 基本設計:システム全体のアーキテクチャ、データベース構造、インターフェース設計
  • 詳細設計:プログラミング仕様書の作成
  • 開発・テスト:単体テスト、結合テスト、システムテスト、ユーザー受入テスト(UAT)
  • 導入・運用:本番移行、教育訓練、保守・改善

プロジェクト管理の要点

システム開発はスコープ(範囲)、スケジュール(期間)、コスト(予算)、品質の4要素管理が必須です。特に中小企業ではリスク管理ステークホルダー管理が重要です。

  • 進捗管理:WBS(Work Breakdown Structure)で作業を細分化
  • 品質管理:レビュー、テスト計画の徹底
  • 人員配置:経験者とプロジェクトリーダーの確保

要件定義の重要性

不十分な要件定義は、後工程での手戻りやコスト増加につながるため、特に注力すべき段階です。機能要件(何ができるか)と非機能要件(性能、セキュリティ、信頼性)を明確に文書化することが成功のカギです。

中小企業特有の課題

  • システム開発の知見が限定的→外部専門家の活用
  • 予算制約→段階的導入やクラウドサービスの検討
  • 運用体制が脆弱→保守性を重視した設計
  • ベンダー依存→詳細なSLAの設定と契約管理

頻出ポイント

  • ウォーターフォール型とアジャイル型の使い分け:要件の明確性と変化のしやすさで判断
  • 要件定義の品質確保:機能要件と非機能要件の両立、利害関係者の合意形成
  • テストプロセスの重要性:単体→結合→システム→UAT→本番運用の段階的実施
  • プロジェクト管理の4要素バランス:スコープ・スケジュール・コスト・品質のトレードオフ関係
  • リスク管理と契約管理:中小企業のベンダー依存を回避するための対策
関連過去問(11問)
令和3年度 第14問 システム開発に利用されるオブジェクト指向のモデリング技法にUML(Unified Modeling Language)が...
令和3年度 第17問 情報システムを開発する際には、基本的な考え方(アーキテクチャ)に基づいてな されることが多い。このような考え方の1つにS...
令和3年度 第18問 アジャイル開発の手法の1つにエクストリーム・プログラミング(XP)がある。 XPではいくつかのプラクティスが定義されてい...
令和3年度 第19問 ソフトウェア、システム、サービスに関わる人たちが同じ言葉で話すことができ るようにするための共通枠組みとして、「共通フレ...
令和4年度 第11問 製品修理を専門に行う中小企業がある。下図は、この企業の修理業務の一部を UMLのクラス図として描いたものである。この図の...
令和4年度 第13問 システム開発の方法論は多様である。システム開発に関する記述として、最も適 切なものはどれか。
令和5年度 第17問 システム開発に利用されるモデリング手法には、DFD、ER図、UMLなどがあ る。それぞれの手法に関する記述として、最も適...
令和6年度 第14問 アジャイル開発手法の1つにスクラムがある。スクラムの特徴に関する記述とし て、最も適切なものはどれか。
令和6年度 第16問 システム開発やソフトウェア開発において、工数やコストの面から開発規模を見 積もることは重要である。以下の記述のうち、最も...
令和7年度 第7問 利用者に品質の高い情報システムを提供するために、ソフトウェアのテストは欠 かせない。テストに関する記述として、最も適切な...
令和7年度 第13問 システム開発手法に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下 記の解答群から選べ。 a デイリースクラムでは...
F7. プロジェクト管理 5問

プロジェクト管理の基本概念

プロジェクトとは、明確な目標を持ち、期間と予算が限定された一時的な事業のことです。ルーチン業務との違いは、単発性と創造性にあります。プロジェクト管理は、スコープ・時間・コスト・品質・リスク等の複数要素を統合的に管理する手法です。

プロジェクト管理の5つのプロセスグループ

  • 立ち上げプロセス:プロジェクト憲章の作成、関係者の特定
  • 計画プロセス:スコープ・スケジュール・予算計画の策定
  • 実行プロセス:計画に基づいた実際の作業実施
  • 監視・制御プロセス:進捗管理、変更管理、品質管理
  • 終結プロセス:成果物の引き渡し、教訓の記録

プロジェクト管理の10の知識領域

  • 統合管理:全体調整とプロジェクト計画書の作成
  • スコープ管理:成果物の範囲定義とスコープクリープの防止
  • スケジュール管理:工程表作成、クリティカルパス分析
  • コスト管理:予算策定、EVM(アーンドバリュー管理)
  • 品質管理:QA/QC、検査・テスト計画
  • リソース管理:要員配置、スキル管理
  • コミュニケーション管理:報告体制、ステークホルダー対応
  • リスク管理:リスク特定、定量化、対応策立案
  • 調達管理:外部資源の契約・管理
  • ステークホルダー管理:関係者分析、エンゲージメント

重要な管理手法と指標

アーンドバリュー管理(EVM)は、進捗と予算の関係を定量的に管理する手法です。以下の3つの指標が基本です:

  • PV(計画価値):予定時点での完成予定額
  • EV(アーンドバリュー):実際の進捗度合いに基づく価値額
  • AC(実コスト):実際に支出した費用

これらからSV(スケジュール差異)= EV - PVCV(コスト差異)= EV - ACが導出され、プロジェクトの状態判断に用いられます。

クリティカルパス法(CPM)は、作業の最長経路を特定し、スケジュール短縮の優先順位を決定する手法です。クリティカルパス上の作業に遅延が生じると、プロジェクト全体の遅延につながります。

リスク管理と変更管理

リスク管理は、プロジェクト成功を脅かす不確実性に対処します。特定→分析→対応策立案のプロセスを経ます。

変更管理は、スコープ変更に伴う承認・影響分析を厳格に行い、スコープクリープを防止することが重要です。すべての変更は統合変更管理委員会で検討します。

頻出ポイント

  • 5つのプロセスグループと10の知識領域の体系的理解
  • EVM(PV・EV・AC)の計算と進捗判断
  • クリティカルパス法によるスケジュール管理
  • リスク特定から対応までのプロセス
  • スコープ管理とステークホルダー対応の重要性
関連過去問(5問)
令和4年度 第19問 中小企業A社では、基幹業務系システムの刷新プロジェクトを進めている。先月 のプロジェクト会議で、PV(出来高計画値)が1...
令和5年度 第20問 プロジェクト管理では、コストやスケジュールを適切に管理するためにさまざま な指標や手法が用いられる。それらに関する記述と...
令和6年度 第21問 A社では、BAC(完成時総予算)が1,000万円の情報システム開発プロジェクト が進行中である。プロジェクト期間のちょう...
令和7年度 第18問 WBS(Work Breakdown Structure)に関する記述の正誤の組み合わせとして、最 も適切なものを下記の...
令和7年度 第23問 ある中小企業では、完成時総予算が1,080万円で、期間が半年の4つのプロジェ クトA、B、C、Dが実施されている。プロジ...
F8. システム運用・保守 10問

システム運用・保守の基本概念

システム運用・保守とは、導入後のシステムを安定稼働させ、ユーザーの要求に対応し続けるプロセスです。中小企業診断士試験では、運用体制の構築、保守形態の選択、トラブル対応、コスト管理が重点出題範囲となります。

運用保守の形態と選択基準

  • 内部運用:自社スタッフが対応。コスト管理が容易だが、人材確保が課題
  • 外部委託(アウトソーシング):ベンダーに一括委託。専門知識活用が可能だがコスト増加
  • ハイブリッド型:基幹業務は内部、専門領域は外部委託。中小企業の最適形態
  • 選択基準:システム重要度、人材確保可能性、経営規模、コスト対効果

保守の種類と対応内容

  • 予防保守:定期的な点検・診断で障害を未然に防止。効率的だが事前投資が必要
  • 是正保守:障害発生後の修復。緊急対応だがコストが割高
  • 適応保守:法改正・環境変化への対応。段階的な投資計画が重要
  • 完全保守:予防+是正+適応をカバー。包括的だが計画的な管理が必須

運用保守の体制構築

  • 責任体制の明確化:SLA(サービスレベル合意書)の策定
  • 対応時間の設定:初期応答時間、復旧目標時間(RTO)の定義
  • ドキュメント管理:システム構成図、手順書、障害記録の整備
  • 人材育成:運用スタッフの教育プログラム、知識継承の仕組み
  • ベンダー管理:協力業者との契約条件、定期報告会議の実施

トラブル対応と事業継続計画

インシデント管理では、発生→報告→対応→記録→改善のサイクルが必須です。RTO(目標復旧時間)RPO(目標復旧地点)を定め、優先度に応じた対応を実施します。

  • 障害分類:緊急(数時間以内復旧)、高(24時間以内)、中(1週間以内)、低(月単位)
  • BCP(事業継続計画):災害時のシステム継続・復旧戦略
  • バックアップ戦略:定期実施、検証、復旧テストの実施

コスト管理と改善活動

  • 運用コスト分析:人件費、ライセンス料、保守費、外注費の把握
  • 効率化施策:自動化ツールの導入、定期メンテナンスの最適化
  • ROI測定:システム稼働率、ユーザー満足度、コスト削減率の定期評価
  • 継続的改善:PDCAサイクルの実装、課題の早期発見

頻出ポイント

  • SLA(サービスレベル合意書)の内容:初期応答時間、復旧時間目標、稼働率保証
  • 保守形態の選択判断:企業規模・システム重要度・人材・コストのバランス
  • 予防保守vs是正保守:中長期コスト効率では予防保守が有利という試験的理解
  • RTO・RPO:業務継続に必須。これらを基準にした対応体制の構築
  • 運用ドキュメント:手順書・構成図・障害記録の整備状況が評価ポイント
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F9. プログラミング・アルゴリズム 6問

プログラミング・アルゴリズムの基礎知識

プログラミングとは、コンピュータに特定の処理を実行させるための命令を記述する行為です。中小企業診断士試験では、アルゴリズムの概念、基本的なプログラミング構造、データ構造の理解が問われます。

基本的なアルゴリズム構造

プログラムの制御構造は以下の3つで構成されます:

  • 順序構造:命令を順番に実行する基本形
  • 選択構造(条件分岐):IF文などで条件に基づいて処理を分岐
  • 反復構造(ループ):FOR文、WHILE文などで同じ処理を繰り返す

代表的なアルゴリズム

ソートアルゴリズムはデータを並び替える方法で、試験頻出です:

  • バブルソート:隣同士を比較して交換、最も単純だが効率が悪い(計算量 O(n²))
  • クイックソート:分割統治法を使用、一般に高速(計算量 O(n log n))
  • マージソート:安定なソート、大規模データに適している

探索アルゴリズムもよく出題されます:

  • 線形探索:最初から順番に調べる方法(計算量 O(n))
  • 二分探索:ソート済みデータを半分に分けて探す、高速(計算量 O(log n))

計算量とビッグオー記法

アルゴリズムの効率性は時間計算量空間計算量で評価されます。ビッグオー記法(O記法)は最悪の場合の計算量を表現します:

  • O(1):定数時間(最速)
  • O(log n):対数時間
  • O(n):線形時間
  • O(n log n):線形対数時間
  • O(n²):二次時間
  • O(2^n):指数時間(最遅)

基本的なデータ構造

  • 配列:同じ型の要素を連続して格納、インデックスでアクセス高速
  • リスト:要素がポインタで連結、挿入・削除が効率的
  • スタック:後入先出(LIFO)、関数呼び出しで使用
  • キュー:先入先出(FIFO)、プリンタ出力待ちなどで使用
  • 木構造:階層的なデータ表現、二分探索木で効率的な検索可能
  • グラフ:ノードとエッジで複雑な関係を表現

プログラミング言語の分類

  • 手続き型言語:C言語、Pascal(処理の流れを記述)
  • オブジェクト指向言語:Java、C++、Python(オブジェクトの相互作用を記述)
  • 関数型言語:Lisp、Haskell(関数の組み合わせで処理)

頻出ポイント

  • ソートアルゴリズム(バブルソート、クイックソート)と各々の計算量
  • 二分探索と線形探索の特性と使い分け
  • スタックとキューの違い(LIFO vs FIFO)と実際の応用例
  • ビッグオー記法による計算量表現(O(n)、O(n²)、O(log n)など)
  • データ構造と制御構造の組み合わせによるアルゴリズム設計の基本
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F10. Web技術・インターネット 7問

Web技術・インターネットの重要テーマ

中小企業診断士試験F科目では、Web技術とインターネットに関する基礎知識が毎年出題されています。経営戦略との結びつけや、実務的な活用場面での判断が求められる傾向にあります。

1. インターネット基盤技術

TCP/IPモデルは4層構造で、以下の順で構成されます:

  • アプリケーション層(HTTP、HTTPS、FTP、SMTP等)
  • トランスポート層(TCP、UDP)
  • インターネット層(IP、ICMP)
  • リンク層(イーサネット等)

DNS(Domain Name System)はドメイン名をIPアドレスに変換します。企業のWebサイト運営では、DNS設定が重要なインフラとなります。

2. Webサイト技術の基礎

HTMLはコンテンツの構造を定義し、CSSは見た目を、JavaScriptは動的な機能を提供します。

  • レスポンシブデザイン:複数デバイスに自動対応(モバイルファースト重要)
  • セマンティックHTML:意味のある構造化で検索エンジン最適化(SEO)に有利
  • キャッシング:読み込み速度向上とサーバー負荷軽減

3. セキュリティとプロトコル

HTTPS(HTTP Secure)はSSL/TLSで暗号化され、現在はWeb標準です。

  • 通信内容の機密性を確保
  • サーバーの真正性を検証
  • 検索エンジンランキングにも影響

認証技術として、OAuth 2.0やOpenID Connectが広く採用され、ソーシャルログイン等を実現します。

4. Webアプリケーション・API

REST APIは、HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETE)を使用した標準的な設計です。

  • ステートレス通信で拡張性が高い
  • JSONフォーマットが主流
  • マイクロサービス構成の基盤

GraphQLは必要なデータのみを効率的に取得でき、APIの複雑化に対応します。

5. クラウド・インフラ

  • IaaS:インフラストラクチャを提供(例:AWS EC2)
  • PaaS:開発環境を提供(例:Heroku、Google App Engine)
  • SaaS:完成したアプリケーション提供(例:Office 365、Salesforce)

中小企業ではSaaS導入が一般的で、初期投資の削減と運用負荷の軽減が利点です。

6. デジタルマーケティング関連

  • SEO:検索エンジン最適化、キーワード戦略
  • SEM:検索エンジンマーケティング(広告含む)
  • アナリティクス:Google Analyticsによるアクセス分析
  • Cookie・トラッキング:ユーザー行動の把握と個人情報保護の バランス

頻出ポイント

  • HTTPS化の重要性と検索エンジンランキングへの影響
  • REST APIの特徴(ステートレス、JSONフォーマット)と実装メリット
  • レスポンシブデザインとモバイル対応の戦略的意義
  • SaaS選定基準(コスト、カスタマイズ性、セキュリティ)と経営判断
  • DNS・キャッシング・CDN等のパフォーマンス最適化技術
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F11. 経営情報管理・DX 17問

経営情報管理・DXの要点まとめ

F科目は経営情報システムの構築・運用デジタルトランスフォーメーション(DX)が中核。中小企業の実践的な情報化戦略が問われます。

1. 情報戦略と経営戦略の連携

  • 情報戦略は経営戦略を実現するための手段
  • 経営課題を分析し、情報技術の活用で競争優位を創出
  • 中小企業は経営資源の制約を踏まえた現実的な計画が必須

2. DXの定義と進め方

DX = デジタル技術による事業プロセス・ビジネスモデルの変革

  • デジタル化:アナログ情報をデジタル化する(初歩段階)
  • デジタル変革:プロセス改革を伴う本質的な改善
  • 中小企業のDXは「経営課題の解決」から出発
  • 段階的推進:まず業務システムの効率化→新事業創出へ

3. システム構築の手法

  • ウォーターフォール型:要件定義→設計→開発→テスト(大型案件向け)
  • アジャイル型:短期スプリントで小分けにした開発(変化への対応性高)
  • 中小企業は既製パッケージ導入(ERP、クラウドSaaS)が現実的

4. 情報セキュリティ対策

  • 3要素:機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)
  • 個人情報保護方針の整備、アクセス管理、暗号化が必須
  • 従業員教育(フィッシング対策など)の重要性
  • インシデント対応計画の事前策定

5. データ活用とビジネスインテリジェンス

  • BI(ビジネスインテリジェンス):データ分析による意思決定支援
  • 顧客データ分析による営業効率化、マーケティング最適化
  • 中小企業は小規模データセットから段階的にスタート

6. 業務プロセス改革(BPR)

  • 情報システムの導入前に業務フローを見直すことが重要
  • 「システムに業務を合わせる」vs「業務にシステムを合わせる」のバランス
  • 組織全体の変革意識醸成が成功のカギ

7. クラウド活用

  • SaaS:ソフトウェアをサービスとして提供(最も導入しやすい)
  • PaaS:開発基盤を提供
  • IaaS:インフラを提供
  • 中小企業にはSaaSによるスピード導入が適切

頻出ポイント

  • DXと単なるデジタル化の違い:プロセス・ビジネスモデルの抜本的改革が必須
  • 経営課題からのバックキャスティング:経営戦略に基づいた情報化目標の設定
  • セキュリティ対策の3要素(CIA):機密性・完全性・可用性
  • 中小企業向けの現実的な選択肢:クラウドSaaS、パッケージシステム、段階的推進
  • 組織変革への配慮:システム導入後の運用・人的支援が成功を左右
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令和7年度 第22問 情報処理推進機構(IPA)が公開している「中小規模製造業者の製造分野における デジタルトランスフォーメーション(DX)推...
F12. 統計・データ分析 11問

統計・データ分析の試験要点

中小企業診断士試験F科目における統計・データ分析は、経営意思決定に必要なデータの収集・処理・解釈能力を問う分野です。令和3年度以降、毎年出題されており、実務的な応用問題が増加しています。

1. 記述統計と推測統計

  • 記述統計:既存データの特性を要約・記述する(平均、中央値、標準偏差など)
  • 推測統計:標本データから母集団の性質を推定する(信頼区間、仮説検定など)
  • 平均値の弱点:外れ値の影響を受けやすい → 中央値や四分位数も併用

2. 確率分布と正規分布

  • 正規分布:平均を中心に左右対称の分布、統計学の基礎
  • 標準正規分布:平均0、標準偏差1に標準化したもの
  • 68-95-99.7の法則:±1σで68%、±2σで95%、±3σで99.7%のデータが含まれる

3. 仮説検定

  • 帰無仮説(H₀)対立仮説(H₁)の設定が最初のステップ
  • 有意水準(α):通常5%または1%に設定
  • p値がαより小さい場合、帰無仮説を棄却
  • 第一種の誤り(α)と第二種の誤り(β)の理解が重要

4. 相関と回帰

  • 相関係数:-1~+1の値、0に近いほど相関が弱い(±0.7以上で強い相関と判定)
  • 相関と因果関係は異なる ← 重要な落とし穴
  • 回帰分析:説明変数から目的変数を予測する手法
  • 決定係数(R²):モデルの説明力を示す(0~1、1に近いほど良好)

5. 具体的な手法と活用

  • t検定:2つのグループの平均値の差が有意かを判定
  • χ²検定:カテゴリカルデータの独立性や適合度を検定
  • 分散分析(ANOVA):3以上のグループの平均値を比較
  • サンプルサイズ:大きいほど信頼性が高まるが、実務的な制約も考慮

6. データ分析の実務応用

  • 経営課題の定義 → データ収集 → 分析 → 解釈 → 意思決定のフロー
  • 外れ値の処理方法と判断基準の理解
  • 視覚化(グラフ、図表)による直感的な理解
  • 診断や提案の根拠としてのデータ活用

頻出ポイント

  • 正規分布と標準化:z値計算、68-95-99.7の法則の応用問題
  • 仮説検定の流れ:帰無仮説の設定→p値の判断→結論導出の一連のプロセス
  • 相関係数と回帰分析:両者の違い、相関≠因果の陥穽、決定係数の解釈
  • ビジネスシーンでの適切な手法選択:問題に応じたt検定・χ²検定・分散分析の使い分け
  • データの信頼性評価:サンプルサイズ、バイアス、外れ値処理の実務判断
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