CHAPTER 01
既存モデルの整理と限界
第1章 既存の性格診断の学習と、その限界
1-1. 主要な体系の整理
MBTI(16タイプ論)
ユングのタイプ論を基に、4つの二分法(外向/内向、感覚/直観、思考/感情、判断/知覚)の組み合わせで16タイプに分類する。 - 強み:語りやすさ。 - 弱み:連続的な性質を無理に二分するため再検査で結果が変わりやすく、学術的な信頼性・妥当性が低いとされる。
ビッグファイブ(特性論)
開放性・誠実性・外向性・協調性・神経症傾向の5次元で人をスコア化する。学術的にもっとも支持されているモデル。 - 強み:統計的頑健性。 - 弱み:「5つの数字」が出るだけで物語性がなく、本人の実感や行動改善に結びつきにくい。
エニアグラム
9つの根源的な「動機と恐れ」で分類する。深層心理に踏み込む一方、実証性は弱い。
その他(DISC、ストレングスファインダー等)
行動スタイルや強みに着目するが、いずれも共通する前提を持っている。
1-2. すべてに共通する「隠れた前提」
これらの体系は方法も思想も違うが、実は同じ前提の上に立っている。
前提:性格とは「静止画」である。 人には安定した固定の性質があり、それを1回の測定で写し取れる。
しかし現実の人間は、朝と夜で違い、相手によって違い、疲労や季節で違う。同じ人が会議では慎重で、飲み会では大胆で、締切前は攻撃的になる。既存診断はこの「揺らぎ」をノイズとして捨ててきた。
気候性格論は、この捨てられてきた「揺らぎ」こそが性格の本体だと考える。